近年、X(旧Twitter)では、ボットによるスパムや詐欺が問題となっています。特に、ウクライナ戦争や日本の地震警報を利用した偽のコンテンツ警告が、ユーザーを詐欺サイトに誘導する手段として悪用されています。このような投稿は、ユーザーにクリックを促し、最終的にはアダルトサイトや悪意のあるブラウザ拡張機能、怪しいアフィリエイトサイトへと誘導します。
偽情報の手口
X上では、見た目がポルノ動画のように見える投稿が多く見られますが、実際にクリックすると偽のアダルトサイトに飛ばされる仕組みです。最近では、「Slava Bonkus」や「Cyber TM」といったXユーザーによって追跡されたように、ウクライナ軍がクルスクに侵攻したという虚偽情報や、日本の南海トラフ地震警報を装った投稿が増えています。
これらの投稿は、ユーザーがクリックしやすいようにセンセーショナルな内容を装っています。
例えば、「【南海トラフ巨大地震の緊急情報】これからの備えとして、注意点をまとめました。ぜひご確認の上、計画を立ててください。」といった内容の偽ツイートが見られます。
過去の事例と影響
X(旧Twitter)上での偽情報や詐欺の手法は、数年前から存在しており、特に災害や戦争といったセンセーショナルなテーマを利用したものが目立ちます。これらの手法は、ユーザーを騙して不正なサイトに誘導し、個人情報を盗むことを目的としています。
偽情報の手口
- 偽のコンテンツ警告
Xでは、投稿が作成される際にURLの内容を確認しますが、詐欺師はこれを利用して偽の警告を表示します。ユーザーがクリックすると、app.linkドメインのURLに接続され、最終的に詐欺サイトにリダイレクトされます。この手法は、センシティブな内容を装った画像を使い、ユーザーの興味を引きます。 - フィッシング詐欺
ソーシャルメディア上でのフィッシングは、正当な送信者を装ったメッセージを送り、ユーザーを偽のログインページに誘導します。ユーザーが情報を入力すると、詐欺師がその情報を盗むことができます。 - 偽のキャンペーンやコンテスト
無料の賞品を提供するふりをして、ユーザーの個人情報を収集したり、マルウェアを広めたりする手口もあります。
これらの詐欺手法は、ソーシャルメディアの広範なリーチと匿名性を利用しており、特に災害時には偽情報が拡散しやすくなります。例えば、日本の南海トラフ地震に関する偽情報が拡散された際には、NHKの分析で1日で39万件以上のスパム投稿が確認されました。このような状況では、正確な情報にたどり着くのが難しく、ユーザーの混乱を招きます。
対策と注意喚起
このような状況に対処するためには、以下の点に注意することが重要です。
- 投稿者の信頼性を確認する
誰が投稿しているのか、普段はどのような投稿をしているのかを確認する。 - 出どころ不明のリンクをクリックしない
信頼できない投稿のリンクはクリックせず、拡散もしない。 - 公的機関や報道機関の情報を確認する
正確な情報を得るためには、公式の情報源を確認することが重要です。
災害時には不安を煽るような情報が広がりやすいため、冷静に情報を精査し、信頼できる情報源からの情報を基に行動することが求められます。
まとめ
近年、X(旧Twitter)では、ボットによるスパムや詐欺が深刻な問題となっています。特に、ウクライナ戦争や日本の地震警報といったセンセーショナルなテーマを利用した偽情報が、詐欺サイトへの誘導手段として悪用されています。これらの投稿はユーザーに不正なサイトへと誘導し、個人情報の盗難やマルウェアの拡散を狙っています。災害時や緊急事態には、冷静に情報を精査し、信頼できる情報源からの情報を基に行動することが重要です。