現在、ドワンゴが運営する動画配信サービス「ニコニコ動画」が大規模なサイバー攻撃を受けており、サービスを一時停止しています。本コラムでは、サービス停止の背景、現状、サイバー攻撃の脅威、そして個人でできる対策について詳しく解説します。

サービス停止の背景

ニコニコ動画の栗田代表は、X(旧Twitter)でサイバー攻撃が原因であることを報告しました。障害は6月8日早朝から発生し、午前6時にはメンテナンス状態に移行しました。ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ニコニコチャンネルなどのニコニコファミリーサービスや外部サービスでのニコニコアカウントログインが利用できない状態です。復旧作業が進行中ですが、少なくともこの週末中の復旧は困難な状況です。

ニコニコ動画とは?

ニコニコ動画は、ドワンゴが運営する日本発の動画共有サービスで、ユーザーが投稿した動画にリアルタイムでコメントを表示できる特徴があります。多彩なジャンルの動画があり、視聴者同士がコメントを通じて視聴体験を共有できます。2006年にサービスを開始し、多くのユーザーに支持されています。

公式サイトより

現在の状況

現在、運営チームは復旧作業と並行して、攻撃の経路および情報漏洩の可能性を調査しています。ニコニコはクレジットカード情報を自社サーバーに保存していないため、クレジットカード情報の漏洩は確認されていません。栗田代表は、今週末に予定していた動画投稿や生放送番組を楽しみにしていたユーザーに対し、心よりお詫び申し上げるとともに、週明けに改めて状況を報告すると述べました。

サイバー攻撃の脅威

サイバー攻撃は企業や個人に対する重大な脅威です。攻撃手法は年々高度化・多様化しており、フィッシング、マルウェア、DDoS攻撃などさまざまな方法でセキュリティを脅かします。今回のニコニコ動画に対する攻撃はサービス全体を一時停止させるほどの大規模なもので、多くのユーザーが影響を受けています。

フィッシングとは?

フィッシングは、信頼できる企業や機関を装ってユーザーに偽のメールやメッセージを送り、個人情報や金融情報を盗み取る詐欺手法です。不正なリンクをクリックさせたり、偽のウェブサイトに誘導したりして、情報を入力させることが目的です。これにより、アカウントの乗っ取りや金銭的な被害が発生します。

マルウェアとは?

マルウェア(Malware)は、有害なソフトウェアの総称で、コンピュータやネットワークに損害を与えることを目的としています。ウイルス、トロイの木馬、ランサムウェアなどが含まれ、情報盗難やシステム破壊を引き起こします。感染経路は多岐にわたり、メール添付ファイルや不正なダウンロードなどがあります。

DDoS攻撃とは?

DDoS攻撃(Distributed Denial of Service)は、多数のコンピュータから特定のサーバーやネットワークに大量のリクエストを送信し、サービスを過負荷状態にして利用不能にする攻撃です。主にボットネットを利用して行われ、サービス停止や遅延を引き起こします。攻撃の目的は、ターゲットの正常な機能を妨害することです。

ニコニコ動画のサービス停止に関連して個人でできる対策

ニコニコ動画のサービス停止に伴い、サイバー攻撃の脅威に対して個人でもいくつかの対策を講じることが重要です。以下に、個人でできる主な対策を紹介します。

パスワードの強化

強力なパスワードを使用し、定期的に変更することが重要です。パスワードには、大文字・小文字、数字、特殊文字を組み合わせて、安全性を高めましょう。

二段階認証の設定

二段階認証を有効にすることで、アカウントのセキュリティを強化できます。これにより、パスワードだけでなく、追加の認証手段が必要となり、不正アクセスを防ぎます。

セキュリティソフトの導入

信頼性の高いセキュリティソフトをインストールし、常に最新の状態に保つことで、マルウェアやウイルスからデバイスを保護します。定期的なスキャンを行い、脅威を早期に発見・除去しましょう。

不審なリンクやメールに注意

フィッシング攻撃に対する警戒を怠らないことが重要です。不審なメールやリンクを開かず、信頼できる送信者からのものかを確認してください。疑わしい場合は直接送信者に確認することをお勧めします。

定期的なバックアップ

重要なデータは定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。これにより、万が一サイバー攻撃によってデータが破損した場合でも、迅速に復旧することができます。

企業は特に確実な備えを!

EDR(エンドポイント検出および対応)の重要性

ニコニコ動画が直面したサイバー攻撃は、企業におけるサイバーセキュリティの重要性を強調しています。このような攻撃から企業を守るために、EDR(エンドポイント検出および対応)の導入をおすすめします。EDRの重要性について、以下のポイントを挙げます。

1. 早期検出と迅速な対応

EDRはエンドポイント上での不審な活動をリアルタイムで監視し、異常を即座に検出・対応します。HOYA株式会社が不審な挙動を早期に発見し、迅速にサーバーの隔離を行ったように、EDRは迅速な対応を支援する強力なツールです​​。

2. 詳細なインシデント調査とフォレンジック分析

EDRは、サイバー攻撃の詳細なインシデント調査とフォレンジック分析をサポートします。HOYA株式会社が外部専門家と連携してフォレンジック調査を行ったように、EDRを導入することで、攻撃の全貌を迅速かつ正確に把握し、再発防止策を講じるためのデータを提供できます​​。

3. 自動化された防御と復旧

EDRは、攻撃を自動的に防御し、被害を最小限に抑えるための対策を自動化する機能を備えています。HOYA株式会社のような大規模な製造業では、手動対応には限界があるため、EDRによる自動化された対応は非常に有効です。

4. 脅威インテリジェンスの活用

EDRは最新の脅威インテリジェンスを活用して、新たな攻撃手法に対する防御策を常に更新します。これにより、最新の脅威に迅速に対応することができます。

5. サプライチェーン全体のセキュリティ強化

製造業は複雑なサプライチェーンを有しており、その全体のセキュリティを強化することが重要です。EDRは、サプライチェーン全体のエンドポイントを包括的に監視・保護し、連携するパートナー企業のセキュリティも向上させることができます。

まとめ

ニコニコ動画のサービス停止は、大規模なサイバー攻撃に対する緊急措置です。運営チームはユーザーの安全を最優先に考え、復旧作業に全力を尽くしています。利用者の皆様にはご不便をおかけしますが、最新の情報を確認しつつ、復旧までの間、ご理解とご協力をお願いいたします。最新の状況については、公式の情報をご確認ください。

なお、ニコニコ以外にもKADOKAWAが提供する複数のサービスがダウンしており、KADOKAWAの公式サイトも表示できない状態が続いています。
2024年6月9日、株式会社KADOKAWAは、グループの複数のウェブサイトが利用できない事象が発生していることを発表しました。現時点で、外部からの不正なアクセスが原因である可能性が高いと分析されています。
同社公式HPより:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000014844.000007006.html