ハッカーと泥棒、両者は異なる犯罪者のように思えるかもしれませんが、共通点もある一方で、明確な違いもあります。この記事では、ハッカーと泥棒の類似点と違いを探りながら、中堅・中小企業がサイバーセキュリティ対策を強化するための重要なポイントを紹介します。
ハッカーと泥棒の共通点
目的の達成ための手段
ハッカーと泥棒両方とも、自分の目的を達成するために特定の手段を用います。ハッカーは技術的な知識を利用してデジタル空間で活動し、泥棒は物理的な手段を用いて物質的な財産を盗みます。
隠密性の必要性
両者とも、発覚しないように慎重に活動します。ハッカーはシステムやネットワークに不正アクセスする際に、目立たないようにする必要があり、泥棒も盗みを成功させるために目撃されないようにします。
脆弱性の利用
ハッカーはシステムやネットワークの脆弱性を利用して侵入し、泥棒は家や建物の物理的な脆弱性(例:開いた窓や弱いドア)を利用して侵入します。
中堅・中小企業へのサイバー攻撃の増加
近年、サイバー攻撃のターゲットは大企業から中堅・中小企業へとシフトしています。特にランサムウェア攻撃が急増しており、大企業が高度なセキュリティ対策を導入する中、攻撃者はセキュリティが手薄な中堅・中小企業を狙う傾向が高まっています。
サプライチェーン攻撃
中堅・中小企業、特にサプライチェーンの一部を担う企業は、大企業への侵入を目的とした「踏み台」として悪用されるケースが増加しています。このような「サプライチェーン攻撃」は、企業間の信頼関係を巧妙に悪用するため、発見が困難であり、被害が連鎖的に拡大しやすいのが特徴です。
中堅・中小企業のサイバーセキュリティ対策の重要ポイント
優先的に守るべき業務やシステム、データを特定する
中堅・中小企業がセキュリティ対策に投資する際、まずは自社の事業にとって「重要な業務」「リスクの高い部門」「クリティカルなシステム」を特定し、そこに対して重点的にリソースを投入するべきです。経営者が自社の事業を正確に把握し、他の事業部を納得させるための明確な優先順位を設定することが重要です。
現状を正確に把握することからスタート
セキュリティ対策を開始する際、まずは現状を正確に把握することが不可欠です。メーカーやベンダーに勧められるままにセキュリティ製品を導入するのではなく、全社で求められるセキュリティレベルと現状との差分を洗い出し、足りている部分と不足する部分を特定します。
ゼロトラスト実現のためにも「コアデータの特定」が不可欠
「ゼロトラスト」アーキテクチャの実現には、自社の状況を正確に把握することが必要です。特に重要なのは「データ」です。各部門や拠点が独自にデータを集めているため、全社レベルのデータガバナンスが効いていない企業が少なくありません。コアのデータを特定して、これらを重点的に監視・防御することが重要です。
従業員教育とサイバーハイジーン
従業員に対するセキュリティ教育や社内の脆弱性を可視化・対処するサイバーハイジーンなどの対策は、優先度を高く設定して実施するべきです。定期的な侵害調査や脆弱性診断、ペネトレーションテストを実施することも重要です。これにより、システム内に潜在する脆弱性が長期間放置されるリスクを減少させることができます。
限られた予算で最大限の効果を発揮するセキュリティ強化策
中堅・中小企業には、予算と人員に限りがあるため、適用範囲を絞り込む必要が出てきます。自社の情報資産を正確に特定し、リスクの優先順位を明確にした上で、実効性のあるセキュリティ強化策を講じることが求められます。
ベンダーやSIerの支援
ベンダーやSIerの支援は非常に重要です。例えば、Viettel Cyber Security(VCS)は、侵害調査、脆弱性診断、ペネトレーションテスト、24時間365日の監視サービスなど、さまざまな高品質のセキュリティソリューションを提供しています。東芝ITサービスも、運用や監視、保守の提供を通じて、お客様と長期間に渡ってお付き合いしながら、お客様にとって真に必要なものを提案しています。
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まとめ
ハッカーと泥棒は、異なる犯罪者ですが、共通する点もあります。中堅・中小企業がサイバーセキュリティ対策を強化するためには、自社の状況を正確に把握し、重要な業務やシステム、データを特定し、ゼロトラストアーキテクチャを実現するためのコアデータを特定することが重要です。さらに、従業員教育やサイバーハイジーン、定期的な侵害調査や脆弱性診断を実施し、ベンダーやSIerの支援を活用することが求められます。限られた予算で最大限の効果を発揮するセキュリティ強化策を講じることで、サイバー攻撃から自社を守ることができます。