Adobeは2024年11月12日(現地時間)に「Photoshop」や「Illustrator」「After Effects」を含む8つの主要製品のセキュリティアップデートを公開しました。この月例パッチにより、これらの製品に存在する深刻な脆弱性が修正され、悪用されるリスクが軽減されることが期待されています。特にクリエイティブ業界で広く使用されているため、対象製品を利用するユーザーにとって早急なアップデートが推奨されます。
まず、今回のアップデートでは、Adobe After Effects、Illustrator、Photoshop、InDesignなどの製品に致命的な脆弱性が確認されています。特にSubstance 3D Painterでは22件もの脆弱性が報告されており、その深刻度も高いことが指摘されています。影響を受ける主な製品とそれぞれの脆弱性の深刻度について以下に整理します。
- Adobe After Effects: 6件の脆弱性(最大深刻度:Critical)
- Adobe Illustrator: 9件の脆弱性(最大深刻度:Critical)
- Adobe Photoshop: 1件の脆弱性(深刻度:Critical)
- Adobe InDesign: 6件の脆弱性(最大深刻度:Critical)
- Substance 3D Painter: 22件の脆弱性(最大深刻度:Critical)
最大深刻度とは?
Adobeのセキュリティアップデートで使用される「Critical」は最も深刻な脆弱性の評価基準で、悪用されるとシステムへの大規模な被害や完全な制御が奪われるリスクがあることを示します。これに該当する脆弱性が放置されると、攻撃者が任意のコード実行、データの窃取、システムの破壊といった重大な影響を及ぼす可能性があるため、即時対応が必須です。
その他、Adobe Bridge、Adobe Audition、Adobe Commerceでも脆弱性が確認されており、これらを悪用した場合、任意のコード実行やメモリリーク、ファイルシステムへの任意の書き込みといった被害が発生する可能性があります。特にAfter Effectsに関しては、現在のユーザー権限のもとで攻撃が成立するリスクがあるため、通常以上の警戒が必要です。
adobe公式サイトより:https://helpx.adobe.com/jp/security/security-bulletin.html
Adobeはこれらの脆弱性に対処するため、各製品の最新バージョンをリリースしており、ユーザーに対してできるだけ早急なアップデートの適用が推奨されています。Creative Cloudデスクトップアプリを通じて手軽に更新が可能で、迅速な対応が求められます。今回のパッチはAdobeの推奨優先度レベル「3」に設定されていますが、深刻度の高さを踏まえ、できるだけ早期のアップデートを行うことが望ましいです。
多くのAdobe製品はデフォルトで自動アップデートが有効になっており、新しいバージョンがリリースされると自動で更新が行われます。しかし、念のために自動アップデートが有効か確認することをお勧めします。また、手動でアップデートを確認したい場合は、製品の「ヘルプ」メニューやAdobe Creative Cloudデスクトップアプリから確認できます。企業環境では、IT管理者がAdmin Consoleで一括アップデートも可能です。セキュリティ対策として、特にCriticalやImportantと評価された脆弱性修正は早めの適用が推奨されます。
セキュリティ専門家も今回のアップデートの重要性を強調しており、「特にクリエイティブ業界に広く普及しているAdobe製品が対象であるため、脆弱性の影響は業界全体に広がる可能性がある」との見解を示しています。個人や企業を問わず、Adobe製品を利用するユーザーは速やかにアップデートを行い、不審なファイルを開かないなどの基本的なセキュリティ対策も併せて講じることが推奨されます。
今回のAdobeのセキュリティアップデートは、クリティカルな脆弱性に対処するために重要です。特にAdobe After EffectsやIllustratorなど、クリエイティブ業界で幅広く使用されている製品に影響があるため、業界全体へのリスクが懸念されています。利用者は最新バージョンへの更新を迅速に行い、リスク軽減のための対策を講じることが求められます。