2024年9月20日、大樹生命保険が発表したサイバー攻撃による個人情報流出の可能性は、最大で7万人に影響を及ぼす可能性があります。流出したと考えられる情報は、氏名、住所、電話番号などで、2021年10月以降のデータが対象です。この事件は、サイバー攻撃の被害がどのように企業に影響を与えるかを再確認させる出来事となりました。
同社公式サイトより:https://www.taiju-life.co.jp/corporate/news/pdf/20240920_1.pdf

サプライチェーン攻撃の脅威とは

今回の事件は、大樹生命保険の業務委託先である倉業サービス社が被害を受けたことで発生しましたが、このサイバー攻撃は他の企業にも広がり、松竹株式会社では最大23万人、リコージャパン株式会社でも約3千人の個人情報が流出する可能性が示唆されています。このように、一企業に対する攻撃が他の企業にも波及する「サプライチェーン攻撃」の脅威が改めて認識されました。
松竹株式会社公式サイトより:https://store.shochiku.co.jp/shop/pages/info20240919.aspx
リコージャパン株式会社公式サイトより:https://jp.ricoh.com/info/notice/2024/0924_1?_gl=1%2a1u4q297%2a_ga%2aMTQ4MzM4ODEzLjE3MjczMjY5NzE.%2a_ga_1W7QW96RNV%2aMTcyNzMyNjk3MC4xLjEuMTcyNzMyNjk4Ny4wLjAuMA..%2a_ga_TC21P2E887%2aMTcyNzMyNjk3MS4xLjEuMTcyNzMyNjk4Ny4wLjAuMA..&_ga=2.100846145.1107441431.1727326971-148338813.1727326971

サイバー攻撃が重要インフラに及ぼす影響

物流業界を狙ったサイバー攻撃は、単に個別企業の問題にとどまらず、国家の安全保障にも関わります。日本政府は、物流を含む14の産業を「重要インフラ」として指定しており、これらに対する攻撃は深刻な問題を引き起こす可能性があります。最近では、2023年に中国系ハッカー集団がアメリカの重要インフラを標的にした事例があり、国際的なサイバー攻撃の危険性が高まっています。

企業が直面するセキュリティ課題と今後の対策

大樹生命保険は今後、委託先との連携強化や顧客情報の管理体制の見直しを進める予定です。しかし、この事件が示したように、企業はサプライチェーン全体のセキュリティを強化する必要があります。加えて、政府と企業の協力によって、サイバーセキュリティに対する包括的な対策が求められています。

まとめ

今回の情報流出事件を通じて、サイバー攻撃の脅威が進化し続けていることが明らかになりました。企業は、自社のセキュリティ対策に加え、取引先や委託先のセキュリティ状況にも目を向ける必要があります。また、国際的な協力を通じて、重要インフラのセキュリティガイドラインを強化し、サイバー攻撃から国民と企業を守る対策を急ぐ必要があります。