2024年6月以降、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が報告している新たなサポート詐欺の脅威に関する相談が増加しています。従来のサポート詐欺とは異なり、再起動しても状況が改善せず、さらにキーボードやマウスの操作が一切できなくなるケースが増えていることが特徴です。これまでの対策が通用しないため、ユーザーは一層の警戒が必要です。
偽メッセージと操作不能の新手口
この新しい手口には、以下のような特徴があります。
- 突然、画面全体に偽のメッセージが表示される
- キーボードやマウスが操作不能になる
- 再起動しても状況が改善しない
- マイクロソフトのサポートを装い、偽の電話番号を表示する
IPAの安心相談窓口には、2024年6月から8月にかけて20件以上の相談が寄せられており、
複数種類のメッセージ画面が確認されています。
この手口の背後にある原因
IPAは、この問題の原因について、何らかの悪意あるソフトウェアが意図せずインストールされている可能性があると推測しています。とはいえ、ユーザーが気づかないまま時間が経過した後に症状が発生するため、原因の特定が困難です。
複数の種類のメッセージ画面が確認されていることから、手口の多様性も窺えます。
遭遇した際の推奨対処法
この新たな脅威に遭遇した場合、以下の対処法が推奨されています。
- ネットワーク接続を即座に切断する(LANケーブルを抜く、Wi-Fiルータの電源を切るなど)
- 表示されている電話番号には絶対に電話をかけない
- 数分間様子を見る
- [Ctrl]+[Alt]+[Del]キーが効く場合は、シャットダウンを試みる
- PCの初期化を検討する
予防策
予防策としては、次の点に日常的に注意することが推奨されます。まず、意図しないソフトウェアやファイルをダウンロードしないこと、身に覚えのないメールやメッセージ内のリンクや添付ファイルを開かないことが基本です。
また、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保ち、信頼性の高いセキュリティソフトを活用することも重要です。これらの予防策を実施することで、被害を未然に防ぐことが可能です。
まとめ
この新たな「操作不能の偽メッセージ」は、従来のサポート詐欺とは異なる特徴を持ち、対処が困難な脅威です。ユーザーは常に警戒を怠らず、不審なファイルやリンクには細心の注意を払う必要があります。また、問題が発生した場合は、ネットワークを切断し、専門家のアドバイスを求めることが賢明です。情報セキュリティの脅威は日々進化しています。
最新の情報を常に入手し、適切な対策を講じることが、安全なデジタルライフを送るための鍵となります。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA):https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2024/mgdayori20240917.html