Googleフォームは、講演会の申込やアンケートの収集など、簡便な方法で情報を集めることができる非常に便利なツールです。しかし、フォームの設定ミスが大きなトラブルに繋がることもあります。特に、個人情報を扱う場合は、慎重な運用が求められます。

この記事では、静岡東海証券の事例を参考に、Googleフォームを設定・運用する際に気をつけるべき重要なポイントを紹介します。

静岡東海証券の事例から学ぶ設定ミスのリスク

静岡東海証券が主催する講演会の申込フォームで、設定ミスにより最大95件の個人情報が第三者に閲覧可能な状態になった事例があります。
このような情報漏洩は、会社の信用を損なうだけでなく、法的な責任が問われることもあります。
このケースは、Googleフォームの設定がいかに重要であるかを改めて認識させるものでした。
同社公式サイトより:https://www.shizuokatokai-sec.co.jp/news_topics/news.php?id=258

Googleフォーム設定時の具体的な注意点

1. 回答の共有設定を確認する

フォーム作成時に特に注意が必要なのが、回答共有の設定です。Googleフォームでは、デフォルトで回答の表示設定がオンになっている場合がありますが、これは個人情報を第三者に公開してしまうリスクがあります。回答後のページで他の回答が表示されないよう、設定を確認し、必要な場合は共有オプションをオフにしておくことが大切です。

2. 回答の要約を公開する際の注意

Googleフォームでは、アンケートの結果を要約して公開することができますが、この際、個人情報が含まれないように注意する必要があります。公開された要約に氏名やメールアドレスなどの個人情報が含まれてしまうと、意図せずに情報漏洩が発生する可能性があります。情報の要約を公開する際には、必ず個人情報を除外するか、匿名化することを徹底しましょう。

3. アクセス権限の管理

Googleフォームの編集や閲覧ができる権限は、必要最小限の人員に限定することが重要です。設定ミスによる情報漏洩を防ぐためにも、誰がアクセスできるかを明確に管理し、不要なアクセス権限を付与しないことが肝心です。また、定期的に権限の設定を見直し、適切な管理を行うことでセキュリティを強化できます。

4. 回答データの取り扱い

フォームに集まったデータをダウンロードした後、そのデータの保管場所やアクセス権を厳重に管理することも重要です。特に、個人情報を含むデータは暗号化された場所に保管し、アクセスできる人を制限することが推奨されます。さらに、不要になったデータは速やかに削除し、情報が漏洩しないよう徹底的な管理を行いましょう。

再発防止策としての重要な対応

静岡東海証券の事例を受けて、再発防止のために以下の対策を検討することが求められます。

  • 利用するサービスの機能と設定を理解する
    Googleフォームや他のツールを利用する際、その機能や設定項目を十分に把握し、誤った設定を避けることが大切です。
  • フォーム公開前にチェックリストを作成する
    フォームを公開する前に、複数人でチェックリストを用意し、全ての設定を確認することが有効です。これにより、設定ミスを未然に防ぐことができます。
  • 定期的な監査と管理体制の見直しを行う
    一度設定したフォームの管理体制も、定期的に監査し、必要に応じて改善することが推奨されます。これにより、長期的な安全性を確保できます。

まとめ

Googleフォームは非常に便利なツールですが、その便利さゆえに設定ミスや管理不足が起こりやすく、特に個人情報を扱う場合には細心の注意が必要です。静岡東海証券の事例から学べるように、フォームの運用には慎重さが求められ、万が一問題が発生した際には速やかに対応し、透明性を保つことが重要です。個人情報保護を最優先に、定期的な見直しと設定のチェックを行い、安全なフォーム運用を心がけましょう。