サイバー攻撃が日々進化する中、従来のセキュリティ対策だけでは十分な防御が難しくなっています。そこで注目されているのが「ふるまい検知」と呼ばれる技術です。本コラムでは、ふるまい検知の概要や仕組み、そのメリットについて解説します。
ふるまい検知とは
ふるまい検知は、プログラムやシステムの動作パターンを分析し、異常な振る舞いを検出することでマルウェアなどの脅威を特定する技術です。従来のパターンマッチング方式とは異なり、未知の脅威に対しても効果を発揮するため、近年のセキュリティ対策において重要な役割を果たしています。
仕組みと特徴
ふるまい検知の主な仕組みは以下の通りです。
- ベースラインの作成
通常の動作パターンをAIに学習させ、基準となるベースラインを作成します。 - リアルタイム監視
システムやネットワークの動作を常時監視し、ベースラインと比較します。 - 異常検知
通常とは異なる振る舞いを検知した場合、即座に通知を行います。 - AI・機械学習の活用
高度な分析を行うため、AI技術や機械学習が活用されています。
ふるまい検知のメリット
- 未知の脅威への対応
パターンファイルに依存しないため、新種のマルウェアにも対応可能です。 - ゼロデイ攻撃対策
脆弱性を狙う攻撃にも効果的です。 - 総合的な分析
一連の動きを組み合わせて分析するため、複雑な攻撃も検知できます。 - 自動化
AIによる自動検知により、人的リソースの負担を軽減できます。
注意点
ふるまい検知にも課題はあります。誤検知の可能性や、一部の危険なマルウェアを見逃す可能性があるため、他のセキュリティ対策と組み合わせて使用することが推奨されます。
ふるまい検知技術の最前線 -SentinelOneとは-
ふるまい検知技術を効果的に活用している製品の一つとして、SentinelOneが挙げられます。SentinelOneは、AIを活用した自律型エンドポイントセキュリティプラットフォームとして、以下の特徴を持っています。
- 高度なAI技術
静的AIと振る舞いAIを組み合わせ、既知および未知の脅威に対して効果的な防御を実現しています。 - リアルタイム検知と自動対応
エージェントに組み込まれた振る舞いAIが、ファイルレス攻撃などをリアルタイムに特定し、自動で一次対応を行います。 - シグネチャレス方式
従来のパターンマッチングではなく、AIベースの技術を使用しているため、日々の更新や定期的なスキャンが不要です。 - 自動修復機能
感染したファイルを自動的に復元(ロールバック)する機能を備えています。 - 幅広い対応
エンドポイント、コンテナ、クラウドワークロード、IoTデバイス全体において、AIを活用した予防、検知、対応、脅威ハンティングを提供します。 - 高い評価
Gartnerなどの権威ある企業から認められ、MITRE EngenuityやSE Labsなどによる評価でも高い評価を得ています。
SentinelOneは、「SOC不要」と評価されるほど運用負荷が低く、中小企業やテレワーク推進企業でも導入しやすいシステムです。また、Fortune 10企業のうち3社、Global 2,000企業のうち数百社での導入実績があり、幅広い規模の組織で活用されています。サイバーセキュリティの世界は日々変化しています。SentinelOneのようなふるまい検知技術を活用した先進的なソリューションの導入を検討し、常に最新の対策を講じることで、より安全なデジタル環境を構築していくことが求められます。
まとめ
ふるまい検知は、進化し続けるサイバー脅威に対する強力な防御手段です。従来の方法では対応が難しかった未知の脅威にも効果を発揮し、企業のセキュリティ体制を強化します。ただし、完璧な方法ではないため、多層的なセキュリティ対策の一部として活用することが重要です。