近年、フリーゲームの人気が急速に高まっています。無料で楽しめるゲームが豊富に提供されていることは、ゲーマーにとって大きな魅力です。しかし、フリーゲームには思わぬリスクが潜んでいることもあります。特に、マルウェアが含まれているケースが増えており、注意が必要です。今回は、フリーゲームに潜む危険性と、セキュリティ対策について詳しく見ていきます。
フリーゲームに潜む危険
個人情報の漏洩
フリーゲームをダウンロードした際に、インストーラーにマルウェアが含まれていることがあります。このマルウェアは、ユーザーの個人情報やクレジットカード情報を盗む可能性があります。特に、オンラインゲームではアカウント情報が重要であり、これらが漏洩すると深刻な被害を受けることになります。
コンピュータの乗っ取り
マルウェアは、リモートでコンピュータを操作できるバックドアを設置することがあります。これにより、ハッカーがユーザーのPCをボットネットの一部として利用したり、他の悪意のある行為に使用したりするリスクがあります。
ゲーム内資産の盗難
オンラインゲームには、仮想通貨やアイテムなどのデジタル資産が存在します。マルウェアは、これらの資産を盗むことができ、プレイヤーに実際の金銭的損失をもたらします。特に、日本でも人気の高いオンラインRPGなどでは、ゲーム内資産の価値が非常に高く、被害は大きくなります。
ゲームのプレイ環境の破壊
マルウェアがゲームファイルやシステムファイルを破壊すると、ゲームが正常にプレイできなくなります。これにより、プレイヤーは貴重な進行状況を失い、楽しみにしていたゲームを続けることができなくなります。
被害事例
事例1:スーパーマリオ 3:マリオフォーエバー
- 概要: 人気ファンメイドゲーム「スーパーマリオ 3:マリオフォーエバー」に、仮想通貨を不正マイニングさせるマイナーと情報窃取型マルウェア「スティーラー」が仕込まれていたことが判明しました。
- 被害: ユーザーのPCがマルウェアに感染し、仮想通貨マイニングの被害や、個人情報が盗み取られる可能性がありました。
海賊版(かいぞくばん)とは、著作権者の許可を得ずに複製・販売されるコンテンツのことです。具体的には、音楽、映画、ゲーム、ソフトウェアなど、様々な形態の海賊版が存在します。
海賊版は、著作権法などの知的財産権を侵害する違法行為であり、刑事罰や民事上の責任を問われる可能性があります。
参考:https://blog.kaspersky.co.jp/mario-forever-malware-too/34177/
事例2:Free Download Manager
- 概要: 2020年から2022年にかけて、Free Download Managerの正規サイトから偽のサイトにリダイレクトされ、マルウェアを含むパッケージがダウンロードされる被害が発生していました。
- 被害: ユーザーのPCがマルウェアに感染し、様々な被害を受ける可能性がありました。
サプライチェーン攻撃とは、企業の取引先やサプライヤーなどの脆弱性を悪用し、最終的にターゲット企業に攻撃を仕掛けるサイバー攻撃の手法です。近年、巧妙化・高度化しており、企業にとって深刻な脅威となっています。
参考:https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230917-2772562/
事例3:オンラインゲームのアカウント乗っ取り
- 概要: 情報処理推進機構(IPA)によると、2009年10月5日時点で、オンラインゲームにおけるアカウント乗っ取り被害が急増していました。被害者は、ゲーム内のアイテムやキャラクターを盗まれたり、RMTを通じて金銭被害が発生しました。
- 被害内容:ユーザーIDとパスワードを盗まれ、ゲーム内アイテムやキャラクターを盗まれる。
盗まれたアイテムがRMTを通じて売買され、金銭被害が発生する。 - 攻撃者の手口:ウイルスを仕込んだプログラムを配布し、ユーザーIDとパスワードを窃取する
ゲーム内で「サイト運営者」を装い、チャットを通じてユーザーIDとパスワードを聞き出す。
参考:https://xtech.nikkei.com/it/pc/article/news/20091005/1019161/
セキュリティ対策を徹底しよう!
信頼できるソースからダウンロードする
ゲームやソフトウェアをダウンロードする際には、公式サイトや信頼できるプラットフォーム(例:Steam、Epic Games Store)からダウンロードすることが重要です。これにより、マルウェアのリスクを大幅に減らすことができます。
セキュリティソフトの導入とアップデート
最新のセキュリティソフトを導入し、定期的にアップデートすることで、マルウェアの検出と防止が可能になります。リアルタイムのスキャン機能を有効にして、ダウンロードしたファイルを自動的にチェックすることが推奨されます。
ユーザーレビューと評価の確認
ゲームやModのダウンロード前に、他のユーザーのレビューや評価を確認することで、怪しいファイルや評判の悪い配布元を避けることができます。特に、フリーゲームは開発者の情報やコミュニティの反応をチェックすることが重要です。
ダウンロード後のスキャン
ダウンロードしたファイルを実行する前に、必ずセキュリティソフトでスキャンすることが重要です。これにより、潜在的な脅威を事前に検出することができます。特に、新しいゲームや未知のソースからのダウンロードには注意が必要です。
まとめ
フリーゲームは手軽に楽しめる反面、セキュリティリスクも伴います。個人情報の漏洩、コンピュータの乗っ取り、ゲーム内資産の盗難、プレイ環境の破壊など、様々な被害が考えられます。これを防ぐためには、信頼できるソースからのダウンロード、セキュリティソフトの導入とアップデート、ユーザーレビューと評価の確認、ダウンロード後のスキャンなどの対策が不可欠です。
日本のゲーマーにとっても、これらのセキュリティ対策を徹底することが、楽しいゲームライフを守る鍵となります。フリーゲームを安全に楽しむために、今一度セキュリティ対策を見直し、常に最新の情報をチェックする習慣を身につけましょう。