デジタルトランスフォーメーションが進む現代社会において、企業にとってサイバーセキュリティは避けて通れない課題となっています。高度化するサイバー攻撃に加え、内部からの情報流出や従業員によるヒューマンエラーが原因となる情報漏洩も大きなリスクとして挙げられます。これらのリスクは、企業の財産や顧客情報を脅かし、信頼性やブランドイメージに深刻な影響を与える可能性があります。
本コラムでは、企業がサイバーセキュリティトレーニングに注力すべき理由、その効果的な実施方法、そして最新のトレーニング手法について解説します。
サイバー攻撃の脅威と対策の必要性
サイバー攻撃の進化
近年、サイバー攻撃の手法は急速に進化しています。例えば、2023年のデータでは、ランサムウェア攻撃による被害総額が過去最高となり、支払総額は1,600億円規模に到達していたと言われています。多くの企業がその標的となり、特に、標的型攻撃やゼロデイ攻撃は、従来のセキュリティ対策では対応が難しく、従業員一人ひとりの知識や意識が防御のカギとなっています。
企業に与える影響
サイバー攻撃は経済的損失だけでなく、法的責任や顧客信頼の喪失を招く可能性があります。一部の報告によると、サイバー攻撃を受けた企業の多くが顧客離れを経験し、その影響が長期的な収益減少につながるケースもあるとされています。このような状況を防ぐためには、適切な対策が必要です。
企業が取り組むべきトレーニングとは?
基本的なセキュリティ対策の学習
サイバーセキュリティトレーニングでは以下の基本的な内容を従業員に教育することをお勧めしています。
- パスワードポリシーの遵守
強力なパスワードの作成と管理方法。 - フィッシング詐欺への対処法
疑わしいメールやリンクを特定するスキル。 - 機密情報の取り扱い方
安全なデータ共有と保管の方法。
最新の脅威への対応
サイバー攻撃の手法は日々進化しているため、従業員に最新情報を提供することが重要です。定期的なトレーニングを通じて、新しい攻撃手法や防御技術についての知識をアップデートします。
内部トレーニングと外部トレーニングの活用
内部トレーニングの利点
企業内部でカスタマイズされたトレーニングプログラムを実施することで、特定のビジネスモデルや内部システムに関連するリスクに焦点を当てることができます。例えば、あるIT企業では、内部のセキュリティ専門家が自社のシステムに特化したトレーニングを提供し、従業員の理解を深めています。
外部トレーニングの活用
外部の専門機関が提供するトレーニングを活用することで、業界全体の最新動向や幅広い知識を得ることが可能です。たとえば、第三者機関による認定トレーニングを受けることで、従業員が業界標準のスキルを習得できます。

昨今のサイバー攻撃と言えばランサムウェア攻撃が代表的ですが、ランサムウェアアクターは個人情報や設計情報、営業情報といった秘密情報を窃取し、その情報を公表しないことを条件に身代金を要求します。
情報漏洩を防止するには、まずは外部からのサイバー攻撃を検知し防御することが重要ですが、情報漏洩を引き起こすのは外部の攻撃者だけではありません。
権限を持った組織内のユーザーであれば、サイバー攻撃対策ソリューションがあったとしても、秘密情報に容易にアクセスし漏洩させることができます。
本セミナーの第一部では、EDRとSOCを使った外部からのサイバー攻撃の検知・防御手法につきご説明いたします。
本手法はEDRのログにより内部不正活動を記録し、場合によっては防止することも可能です。そして、これに加えて更なるセキュリティ対策としてご提案するのが、第二部でご紹介するファイル暗号化・IRMソリューションです。
IRMで秘密ファイルを暗号化すれば、権限を持ったユーザーが認証を経たときのみ復号化されますので、万一のファイル漏洩時にも情報自体は公開されません。
アジェンダ
- ご挨拶
- アクト 横井より EDR + SOCについて
- 株式会社データクレシス 津村様より 暗号化について
- 開催形式
オンライン/録画配信 - 登壇者

株式会社データクレシス
マーケティング本部
津村 遼

株式会社アクト
サイバーセキュリティサービス事業部
事業部長 ビジネスプロデューサー
横井 宏治
効果的なトレーニングの実施ポイント
実践的な演習
シミュレーションやハンズオン演習を取り入れることで、従業員が実際の攻撃シナリオに対応するスキルを養います。具体例として、標的型フィッシング訓練では、偽のフィッシングメールを送信し、その対応を評価するプログラムがあります。
定期的な評価
トレーニングの効果を測定するために、定期的なテストや評価システムを導入します。
これにより、従業員の習熟度を確認し、必要に応じて追加トレーニングを実施できます。
企業が取り組むべきおすすめトレーニング
標的型フィッシング訓練
特定の個人や組織を狙った攻撃に対応するため、実際のフィッシングメールを模したシナリオを用意し、従業員に適切な対応方法を学ばせます。
セキュリティ意識向上ワークショップ
従業員が最新の脅威や防御策について議論する場を設け、日常業務での安全な行動を促します。
インシデント対応トレーニング
サイバーセキュリティ侵害が発生した場合の対応手順をシミュレーションを通じて訓練します。
事前に役割を明確にし、迅速かつ的確な対応を実現します。
物理セキュリティと情報保護訓練
オフィスの物理的なセキュリティ対策や重要書類の保護方法を教育することで、サイバーと物理の両面から企業を守ります。
パスワード管理と認証プロセス訓練
二要素認証やパスワード管理ツールの使用方法など、アカウントの安全を守る基本スキルを学びます。
まとめ
サイバーセキュリティトレーニングは、企業のリスクを減らすだけでなく、従業員のセキュリティ意識を高め、企業文化の発展にも貢献します。従業員が最新の脅威に迅速かつ適切に対応できるスキルを習得することで、企業全体のセキュリティ体制を強化し、結果的に競争力の向上にもつながります。
また、サイバーセキュリティへの投資は、企業の持続可能な成長を支える基盤となり、その重要性は今後ますます高まると予想されます。